サイクリックボルタンメトリーとクロノアンペロメトリーを用いた小型ポテンショスタット

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概要

このリポジトリは、Arduinoを核にした低コストのポテンショスタット(potentiostat)システムを公開しています。設計はサイクリックボルタンメトリー(CV)とクロノアンペロメトリー(CA)という代表的な電気化学測定手法をサポートし、制御電位は−1 V〜+1 V、測定可能なフェラジック電流は−200 µA〜+200 µAという仕様を持ちます。動作検証としてルテニウムヘキサミン(ruthenium hexaammine)を用いたCV測定や、未知のパラセタモール濃度の定量が行われており、ソースコード、回路部品値、実測データが含まれているため再現性が高く、教育用途や実験プロトタイピング、低価格な電気化学センサー開発に適しています。

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リポジトリの統計情報

  • スター数: 4
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 4
  • コミット数: 2
  • ファイル数: 4
  • メインの言語: C++

主な特徴

  • Arduinoベースの低コスト実装で容易に再現可能
  • サイクリックボルタンメトリー(CV)とクロノアンペロメトリー(CA)に対応
  • 動作範囲:電位 −1〜+1 V、電流 −200〜+200 µA
  • コード、回路定数、実測データを同梱しており検証・再現が可能

技術的なポイント

本プロジェクトは「安価で再現性のあるポテンショスタット」を目標にしており、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて電位制御と微小電流測定を実現しています。典型的なポテンショスタットのアーキテクチャ同様、試料電極(作業電極)、参照電極、対電極の三電極系を前提に、操作電位を精密に生成して電極間の電位差を制御します。フェラジック電流の検出はトランスインピーダンスアンプ(TIA)による電流→電圧変換を用いるのが一般的で、本リポジトリにもそれに相当する回路設計情報(部品値)が含まれています。Arduinoは制御ロジック、電位スイープの生成、データ収集を担い、必要に応じて外部のADC/DACやオペアンプを組み合わせる構成が想定されます。

提供されている実験では、ルテニウムヘキサミンといった標準的なレドックスカップルを用いたCV測定により系の線形性や感度が評価され、クロノアンペロメトリーでは時間依存応答(電流−時間プロファイル)を取得してCottrell現象に基づく解析や濃度決定のデモが行われています。未知試料(パラセタモール)の濃度決定は、検量線の作成や既知系との比較で実施されており、データセットが同梱されているため解析手順の追試が可能です。

注意点として、設計目標が低コストであるため、商用の高精度ポテンショスタットに比べると電位・電流の解像度、ノイズ性能、安定性には限界があります。例えば電流レンジ±200 µAや電位±1 Vという仕様は多くのアプリケーションで十分ですが、ナノアンペア域やより広い電位ウィンドウ、温度制御や高スループットが必要な用途には追加の回路改良や高分解能ADCの採用が必要です。実装時は基板レイアウト、グラウンド分離、シールド、参照電極の品質などに注意することでノイズ低減と測定精度向上が期待できます。オープンな回路値とコードがあるため、使用するオペアンプや抵抗値を変更して感度やダイナミックレンジをカスタマイズすることが容易です。

(上記はリポジトリの公開情報と一般的な電気化学装置設計の知見に基づいた解説です。具体的な回路図や部品選定はリポジトリ内の資料を参照してください。)

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • README.md: file — プロジェクトの概要、使用方法、実験内容と結果の要約が記載されています。
  • code (c++ & .ino): dir — Arduino用のスケッチ(.ino)やC++ベースの制御コード、データ取得/保存ロジックが含まれる想定。スイープ生成、サンプリング、シリアル出力などを実装。
  • data: dir — 実験で取得した生データや処理済みデータ、検量線用のデータセットが格納されています。
  • results: dir — 解析結果、プロット、検証レポートなどの出力ファイルが含まれます。

付随情報として、回路部品値や接続図(回路図)、実験条件(電解質、電極仕様、スキャンレート、保持時間など)がREADMEまたはデータディレクトリに含まれているため、再現実験が行いやすくなっています。

まとめ

低コストで再現可能なポテンショスタット実装の良い出発点。教育やプロトタイプに最適。

リポジトリ情報: