Burp-Host-Cors-Scan:Burp Suite用ホストヘッダー&CORS脆弱性スキャンプラグイン
概要
Burp-Host-Cors-Scanは、Burp Suite上で動作する被動的スキャンプラグインで、Webアプリケーションのホストヘッダー攻撃およびCORSに関する脆弱性を検出するために設計されています。ホストヘッダー攻撃は、リクエストヘッダーのHost値を悪意のある内容に書き換えることで発生し、リダイレクトや認証回避、キャッシュポイズニングなど多様な攻撃につながることがあります。また、CORSの設定ミスは正当なオリジン以外からの不正アクセスを許してしまうため、攻撃者にとって狙いやすいポイントとなります。本プラグインはこれらの問題をBurp Suiteのパッシブスキャン段階で自動的に検出し、セキュリティ診断の精度と効率を向上させます。
主な特徴
- Burp Suiteの被動的スキャンとして動作し、リクエスト解析を自動化
- ホストヘッダーの不正操作による攻撃パターンを検出
- CORS設定の不備による脆弱性を識別し報告
- シンプルな導入と既存のBurp Suiteワークフローへの容易な統合
技術的なポイント
Burp-Host-Cors-Scanは、Burp Suiteの拡張機能として設計されており、主に被動的スキャン機能を活用してWebトラフィックを解析します。被動的スキャンとは、攻撃やリクエストの送信を行わずに、既存の通信内容を解析して脆弱性の兆候を検知する方式です。これにより、サービスへの負荷を最小限に抑えながら潜在的なリスクを発見できます。
ホストヘッダー攻撃の検出では、HTTPリクエストヘッダー内のHostフィールドに注目します。攻撃者はこのヘッダーを改ざんし、サーバー側の処理やリダイレクト先、認証ロジックを欺くことで様々な攻撃を行います。本プラグインは、Hostヘッダーの値に疑わしい文字列やパターンが含まれていないかを解析し、標準的なホスト名から逸脱したものが検出されるとアラートを上げます。また、レスポンス内でHostヘッダー値がどのように反映されているかも確認し、リフレクションの有無を評価して攻撃可能性を判断します。
CORS(クロスオリジンリソースシェアリング)脆弱性については、レスポンスヘッダーのAccess-Control-Allow-OriginやAccess-Control-Allow-Credentialsの設定を詳細に解析します。不適切にワイルドカード(*)が設定されていたり、特定のオリジンのみを許可するはずが実際には動的に任意のオリジンを許容している場合、XSSや情報漏洩のリスクが高まります。プラグインはリクエストのオリジンやレスポンスのCORS設定を比較し、不整合や過剰な許可がないかを検査します。さらに、プリフライトリクエストへの応答内容も解析対象とし、CORSポリシーの不備を多角的に検出します。
開発言語や詳細な実装は公開されていませんが、Burp SuiteのExtender APIを利用することでHTTPメッセージのヘッダー解析やスキャン結果の報告を行い、ユーザーフレンドリーなインターフェースで脆弱性を提示する仕組みと推察されます。GitHubリポジトリはスター数は多くありませんが、シンプルかつ重要なセキュリティ検査を自動化する点で有用です。特にホストヘッダー攻撃とCORS設定ミスは比較的見落とされやすい脆弱性であり、本プラグインの利用により診断の網羅性が向上します。
また、被動的スキャンのため、運用中のアプリケーションに影響を与えず安全に検査を実施できる点も大きなメリットです。さらなる拡張としては、ホストヘッダー以外のHTTPヘッダーに対する類似の脆弱性検出機能や、能動的スキャンとの連携強化が期待されます。
まとめ
ホストヘッダー攻撃とCORS脆弱性検出に特化したBurp Suiteプラグインで、セキュリティ診断の効率化に貢献します。