CMAQ EQUATESデータの行列座標を緯度経度に変換するツール

Data

概要

本リポジトリ「cmaq-equates-to-latlon」は、米国環境保護庁(EPA)が提供する大気質モデルCMAQ(Community Multiscale Air Quality)のEQUATESデータセットに含まれる行・列(row & col)形式のグリッド座標を、一般的な地理座標系である緯度・経度(WGS84)に変換するためのスクリプトとツールを収録しています。具体的には、大気中のNO2濃度データを例に、Pythonで対象データの自動ダウンロードと処理、R言語でGeoTIFF形式への変換やggplot2を用いた地図上での可視化を行います。これにより、CMAQの複雑な出力データをGISや統計解析で利用しやすい形に変換し、環境データ解析の効率化を支援します。

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リポジトリの統計情報

  • スター数: 1
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 1
  • コミット数: 2
  • ファイル数: 5
  • メインの言語: R

主な特徴

  • CMAQ EQUATESデータの行列形式座標をWGS84の緯度経度座標に変換
  • Pythonスクリプトによるデータの自動ダウンロードと前処理
  • R言語でのGeoTIFF形式への変換とggplot2による高度な可視化対応
  • EPSG:5071座標系を利用した空間解析のサポート

技術的なポイント

本リポジトリの技術的な核は、CMAQのEQUATESデータ特有の「行・列(row & col)」形式の空間座標を、地理情報システム(GIS)や他の空間解析ツールで広く採用されているWGS84の緯度経度座標に変換する点にあります。CMAQモデルは大気汚染物質の空間分布を高精度に計算しますが、その出力データは行・列インデックス形式で格納されるため、直接的に地理座標に対応させることが難しい課題がありました。

まず、Pythonスクリプト「01_CMAQ_EQUATES_download.py」では、EPAのサーバーなどから対象となるNO2濃度データ(例: “cmaq.equates.conus.conc.NO2”)を自動で取得し、表層層(surface layer)を特定、さらに解析に適したタイムスタンプを選択する処理が実装されています。これにより大量データの中から解析対象を効率的に抽出可能です。

続いて、Rスクリプト「02_CMAQ_EQUATES_to_geotiff.R」では、Pythonで取得したデータを読み込み、行・列座標を対応する緯度・経度に変換します。この際、CMAQのグリッド定義情報を用いて正確な地理座標を計算。さらに変換後のデータをGeoTIFF形式のファイルとして出力し、GISソフトウェアやリモートセンシング解析へ容易に連携できるようにしています。

また、Rのggplot2パッケージを活用し、EPSG:5071(米国のAlbers等積円錐図法)を用いた高品質な地図描画が可能です。これにより、NO2の濃度分布を視覚的に把握しやすくし、環境評価や政策検討に役立てられます。

リポジトリに含まれる「Plots」ディレクトリには、変換後のデータを用いた可視化例が保存されており、実際の利用イメージを掴みやすくしています。総じて、PythonとRを組み合わせたハイブリッドな解析ワークフローの模範例としても意義が高いプロジェクトです。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .DS_Store: Mac OS自動生成の設定ファイル
  • 01_CMAQ_EQUATES_download.py: CMAQ EQUATESデータのダウンロード・抽出スクリプト(Python)
  • 02_CMAQ_EQUATES_to_geotiff.R: データの緯度経度変換とGeoTIFF出力、可視化を行うRスクリプト
  • Plots: 変換および可視化結果の画像ファイル格納ディレクトリ
  • README.md: リポジトリの概要説明ファイル

まとめ

CMAQデータ解析のための実用的な座標変換・可視化ツール群。

リポジトリ情報: