Crossfire - CS:GOのクロスプラットフォームプレイ実現ツール

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概要

Crossfireは、人気FPSゲーム「Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)」において、PlayStation 3(PS3)、Xbox 360(X360)、PCの3プラットフォーム間でクロスプレイを試みるPoC(Proof of Concept)プロジェクトです。通常は異なるプラットフォーム間での直接対戦が困難なCS:GOの環境を、共通のサーバー上で統合し、異機種間でのマッチングや対戦を可能にします。C++で実装されており、ゲームの異なるバージョンを同じディレクトリに配置し、専用のDLLや設定ファイルを用いてサーバーを起動する形で動作します。READMEではセットアップ手順や必要ファイルの取得方法も丁寧に説明されており、技術的な挑戦として注目されています。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 6
  • フォーク数: 1
  • ウォッチャー数: 6
  • コミット数: 3
  • ファイル数: 10
  • メインの言語: C++

主な特徴

  • PS3、Xbox 360、PCのCS:GOを横断したクロスプレイを実現
  • ゲームサーバーの起動に必要なDLLと設定ファイルを提供
  • ゲームの異なるバージョン(731と740)を同一ディレクトリに配置して連携
  • 簡単なセットアップ手順をREADMEで公開し、実験的な動作検証に適した設計

技術的なポイント

Crossfireは、CS:GOの異なるプラットフォーム版を同一のサーバー環境で動作させることを目的としたPoCであり、その技術的なチャレンジは多岐にわたります。まず、CS:GOはプラットフォームごとに異なるゲームクライアントとネットワークプロトコル、内部データ構造を持っているため、これらを統合するには相互互換性を確保する必要があります。Crossfireでは、SteamのManifest IDを用いて各プラットフォームのゲームデータ(721と740のバージョン)を同一のディレクトリに揃えることで、異なるデータセット間の整合性を取っています。

また、クロスプレイを実現するために、Crossfire.dllというカスタムDLLをゲームのaddonsフォルダに配置し、サーバー起動時に特定の引数(-xlspと-xlsp_insecure)を付与することで、変更レベル(changelevel)コマンドなどのゲーム内機能が正常に動作するように調整しています。これにより、プラットフォーム間でのゲームプレイ中断や同期ずれを最小限に抑える工夫がなされています。

さらに、コードベースはC++で書かれており、低レベルでのゲームロジックやネットワーク処理を扱うことで高いパフォーマンスを維持しつつ、異なるプラットフォームのゲームクライアント間の橋渡しを試みています。Pythonスクリプト(clangify.py)も含まれており、これは恐らくビルドやコード解析の自動化に使われていると考えられます。

全体として、Crossfireは単なるクロスプレイ対応ではなく、異なるプラットフォーム固有のゲームバイナリとデータセットを統合し、ゲームサーバーの動作を制御するという高度な技術的課題に挑戦している点が特徴です。このため、まだ開発途上であり完全な安定性は保証されていませんが、将来的にマルチプラットフォームのFPS体験を実現する重要な一歩となる可能性を秘めています。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .github: GitHubのワークフローやIssueテンプレートなどを格納するディレクトリ
  • .gitignore: Git管理下に含めないファイルやディレクトリを指定
  • LICENSE: プロジェクトのライセンス情報
  • README.md: プロジェクトの概要、セットアップ方法、使用方法を記述したドキュメント
  • clangify.py: C++コードのビルドや解析、整形に関連するPythonスクリプト
  • crossfire.dll: クロスプレイ機能を提供するカスタムDLL(配布物としてREADMEで言及)
  • crossfire.vdf: 設定ファイル、ゲームサーバーの起動時に利用
  • その他C++ソースコードやヘッダーファイルが複数存在し、クロスプラットフォーム対応のロジックを実装

まとめ

CS:GOの異なるプラットフォーム間クロスプレイを実験的に実現する意欲的なプロジェクト。

リポジトリ情報: