GraphNet:コンパイラ開発のための大規模計算グラフデータセット
概要
GraphNetは、コンパイラ開発者や研究者向けに設計された大規模な計算グラフデータセットと実験プラットフォームです。実際のAIモデルから抽出した多数の計算グラフを収録し、これにより様々なコンパイラ最適化Passの効果を客観的かつ迅速に評価できます。さらに、AI-for-Systemの研究を支援し、AIを活用した自動コンパイラ最適化Pass生成モデルのトレーニング環境を提供します。PyTorchをはじめ主要なフレームワークとの連携も可能で、計算グラフの抽出・実行のサンプルコードも用意されています。
リポジトリの統計情報
- スター数: 8
- フォーク数: 5
- ウォッチャー数: 8
- コミット数: 13
- ファイル数: 4
- メインの言語: Python
主な特徴
- 実際のAIモデル由来の大規模計算グラフデータセットを提供
- コンパイラ最適化Passの汎用的な効果検証を可能にする統一実験環境
- AI-for-System研究向けに自動コンパイラ最適化Pass生成の学習基盤をサポート
- PyTorchなどの主要フレームワークとの連携による計算グラフ抽出・実行デモを実装
技術的なポイント
GraphNetの最大の特徴は、現実のAIモデルから抽出した計算グラフを大量に収録し、コンパイラにおける最適化Passの評価や改善を効率的に行える点にあります。コンパイラ最適化は複雑かつ多岐にわたるため、単一のモデルや限定的なデータセットでは効果検証が困難です。GraphNetは多様な計算グラフを一元化し、研究者が同一基盤上で異なる最適化手法を比較検討できる環境を提供します。
さらに、AI-for-System分野の発展を見据え、AIを用いたコンパイラ最適化Passの自動生成にも対応しています。具体的には、計算グラフ構造を入力として受け取り、強化学習やグラフニューラルネットワークなどの技術を用いて最適化Passの設計を自動化する研究を促進します。
技術的には、PyTorchでの計算グラフ抽出モジュールを備え、ユーザーは指定したモデル(例:ResNet18)から計算グラフを簡単に抽出可能です。抽出したグラフは標準化されたフォーマットで保存され、異なるパスの最適化効果を比較しやすくなっています。また、抽出したグラフの実行デモも用意されており、実際の動作確認が容易です。
このプラットフォームはPythonで実装されており、柔軟な拡張性を確保しています。API設計はモジュール化されており、他フレームワークへの対応や新しい最適化手法の統合も比較的容易です。GitHub上では活発なコミュニティ運営は現状小規模ですが、今後の拡張・活用が期待される有望なリポジトリです。
プロジェクトの構成
主要なファイルとディレクトリ:
.gitignore
: Git管理対象外ファイルの定義README.md
: プロジェクト概要、使い方の説明graph_net
: コアモジュール群。計算グラフの抽出・処理・実行機能を実装samples
: 抽出および実行のデモスクリプトを収録
まとめ
実モデル由来の計算グラフを活用し、コンパイラ最適化とAI-for-System研究を加速する基盤。
リポジトリ情報:
- 名前: GraphNet
- 説明: 説明なし
- スター数: 8
- 言語: Python
- URL: https://github.com/PaddlePaddle/GraphNet
- オーナー: PaddlePaddle
- アバター: https://avatars.githubusercontent.com/u/23534030?v=4