HTTPブラックボックス(HttpBlackbox)

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概要

この「HttpBlackbox」は、HTTPの内部を学ぶために作者が作った小規模なGoプロジェクトです。既存のフレームワークや高レベルAPIをブラックボックスのまま使うのではなく、TCP接続の受け入れからリクエスト行のパース、ヘッダー処理、ボディの読み取り(Content-Length、Transfer-Encoding: chunked)、レスポンスのフォーマット、接続の持続と切断までを手作業で実装し、挙動を観察・検証できるようにしています。教育目的に特化したシンプルな構成で、Goのnet、bufio、tlsなど標準パッケージを通じてHTTPの基礎を体系的に理解できます。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 2
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 2
  • コミット数: 7
  • ファイル数: 6
  • メインの言語: Go

主な特徴

  • 生のソケットレベルからHTTPを実装して学べる(black‑boxを分解)
  • Go標準ライブラリ中心で依存が少ないシンプル構成
  • CLIで起動できるサンプルアプリ(cmdディレクトリ)
  • リクエストの手動パースやchunked等、プロトコルのエッセンスに着目

技術的なポイント

本プロジェクトの肝は「高レベルAPIを使わずにHTTPの挙動を手で実装してみる」点にあります。具体的には、net.ListenerでTCPを待ち受け、接続ごとにgoroutineで処理をスパン(concurrent handling)している想定です。入出力はbufio.Reader/Writerでバッファリングし、最初に受け取るリクエストライン(メソッド、パス、プロトコル)を分解してからヘッダーを1行ずつ読んで解析します。ヘッダー処理では大文字小文字の正規化や複数ヘッダーの結合、Content-LengthとTransfer-Encodingの競合解決といった実務で重要な分岐に対処する必要があります。

ボディの読み取りはContent-Lengthベースの固定長読み取りと、Transfer-Encoding: chunked によるチャンクデコードを自前で実装することで、HTTP/1.1の本質を体験できます。レスポンス生成ではステータスライン、ヘッダー、空行、ボディの順でCRLFを正しく扱うことが重要です。持続的接続(Connection: keep-alive)の実装や、リクエストのパイプライン処理、タイムアウト設定(Read/Write deadlines)といった実運用での振る舞いも学習対象になります。

並列処理面では、各接続をgoroutineで処理する際のリソース制御(同時接続上限、ヘッダーサイズやボディサイズの上限)、デッドロックや競合状態の回避がポイントです。テストやデバッグ用途としては、異常系の(不完全なリクエスト、切断、遅延送信)挙動を再現してHTTPクライアント/サーバーの堅牢性を観察することができます。加えて、TLSハンドシェイクを試すことで、暗号化接続時の違いや証明書周りの扱いも学べます。go.mod/go.sumにより依存が管理されており、Goモジュールで簡単にビルド実行が可能です。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .gitignore: file
  • README.md: file
  • cmd: dir — コマンドラインから動かすためのエントリポイントを含む想定。サーバ起動やオプション設定の例が入る。
  • go.mod: file — モジュール定義、依存管理
  • go.sum: file — 依存の整合性情報

…他 1 ファイル

(補足)ファイル数が小規模なため、コードは学習用に簡潔で読みやすく、主要な動作はcmd配下の実行コードと内部のパーサ/ハンドラ実装に集中していると考えられます。

まとめ

HTTPの内部を手で追える良質な学習リポジトリ。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

Why I Built This

Over the past few years, I’ve been working extensively with web technologies, but I’ve realized that I never really took the time to understand how HTTP actually works under the hood. Most of the web development work we do relies on frameworks and libraries, which are incredibly useful—but they can also feel like black boxes.

This year, I set a personal goal to uncover some of those black boxes and deepen my understanding of the fundamentals. What better way to learn than…