jim-rs — 即時モードJSONシリアライザ(Rust実装)

Library

概要

jim-rsは「Immediate Mode JSON Serialization Library in Rust」を標榜する小さなライブラリで、CのJimライブラリに触発されて作られました。通常の構造体ベースのシリアライズとは異なり、キーや値を逐次的に操作してJSONを組み立てる即時モードを採用します。外部クレートに依存しないことを重視しており、コードベースは約100行程度に収まる小規模な実装を目指しています。ライフタイム管理や不要なメモリアロケーションを避けたい場面、組み込み用途やツールチェーンが限定された環境での利用に向きます。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 2
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 2
  • コミット数: 2
  • ファイル数: 8
  • メインの言語: Rust

主な特徴

  • 即時モード(Immediate Mode)で逐次的にJSONを構築
  • 外部クレートに依存しない軽量実装(約100行)
  • ライフタイムや余分なアロケーションを回避しやすい設計
  • 小規模ツールや組み込み用途に向いたポータブル性

技術的なポイント

jim-rsが目指すのは「構造体定義なしで、手順的にJSONを組み立てられる柔軟さ」と「最小限の実装コスト」です。即時モードでは、オブジェクト開始→キー追加→値追加→オブジェクト終了、配列開始→要素追加→配列終了、という一連の命令を実行して文字列(またはバッファ)へ直接書き出す流れを採ります。この方式の利点は、事前に厳格なデータモデルを用意せずとも動的なJSONが作れる点と、中間的なデータ構造を大量に保持しないためメモリの二重化を避けられる点です。

Rustでこれを安全かつ使いやすく実現するために一般的に使われる手法には、所有権とライフタイムを活かしたAPI設計(たとえば一時的な”guard”オブジェクトでスコープ終了時に閉じ処理を行うRAIIパターン)、コンパイル時に構造の整合性を保つための型状態(typestate)パターン、そして標準ライブラリのみでバッファへ書き込む最小限の入出力操作があります。READMEの記述からは外部クレート非依存と小ささを重視しているため、serdeのような重い依存は使わず、文字列連結やWriteトレイトへの直接出力で済ませていると推測できます。

また「コンパイル時保証」を謳っている点は、実行時に不正なJSON構造を出力してしまうリスクを下げるための工夫が入っている可能性が高いです。具体的には、オブジェクト開始後にしかキーを受け付けないAPI、配列用のメソッドとオブジェクト用のメソッドを型で分けることで誤った呼び出し順をコンパイルエラーにする、といった設計が考えられます。総じて、jim-rsは軽量さと手続き的な柔軟性を優先するユースケース(小さなユーティリティ、ブートストラップコード、リソース制約のある環境など)に適した選択肢です。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .gitignore: file
  • Cargo.lock: file
  • Cargo.toml: file
  • LICENSE: file
  • README.md: file

…他 3 ファイル

(ファイル数は合計8。主要実装は短いファイル群にまとまっている可能性が高いです)

使いどころと注意点

  • 使いどころ: 小規模ツール、スクリプト的な出力、組み込み系や外部クレートを避けたい環境での軽量JSON生成。
  • 注意点: 機能は最小限にとどめられている想定のため、複雑なシリアライズ要件や既存のエコシステム(serde互換など)との連携が必要な場合は適さない可能性があります。安定性や機能の充実は今後のコミットで拡張される余地があります。

まとめ

小規模・依存ゼロで即時モードのJSON生成を実現する、シンプルで実践的なライブラリ。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

JIM-RS

Immediate Mode JSON Serialization Library in Rust, inspired by Jim library in C.

Why

It’s quite handy to construct a JSON object by series of actions rather than defining an actual structure (thus dealing with lifetime management, unnecessary allocations and whatnot).
The library aims to be small and portable, so it doesn’t depend on any external crates. The entirety of the “codebase” is around 100 lines of code.

Compile time guarantees

This…