literally — Ruby向けランタイム型検査プリプロセッサ

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概要

literallyは、Rubyのメソッド定義に対して「型注釈を書くだけ」で実行時型チェックを入れられるプリプロセッサです。Literal(literal.fun)の型表現に沿った注釈をメソッドシグネチャに追加すると、その注釈に基づいたランタイム検査コードを生成します。目的は静的型導入の負担を増やさずに、型に基づく安全性を手早く確保すること。プロジェクト自体は小さく、導入・試用が容易で、既存のRubyプロジェクトに組み込みやすい点が特徴です。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 2
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 2
  • コミット数: 3
  • ファイル数: 13
  • メインの言語: Ruby

主な特徴

  • シンプルな注釈構文でパラメータと戻り値に型を指定できる(例: def add(a: Numeric, b: Numeric) = Integer do … end)。
  • Literalランタイムの型表現を活用し、柔軟な型チェックが可能。
  • 小さなコードベースで導入コストが低く、既存コードの置換や実験に向く。
  • Rubyの実行時に型安全性を強化し、バグの早期発見に寄与する。

技術的なポイント

literallyは「プリプロセッサ」という設計選択をしている点が肝です。ソース上で新しい注釈構文(または拡張されたシグネチャ)を受け入れ、それを通常のRubyコードに変換することで動作します。実行時型チェックはLiteralの型表現を参照して行われるため、単純なis_a?チェックからより複雑な構造や合成型の検証まで対応できる想定です。

このアプローチの利点は、既存のRubyインタープリタや実行環境を変更せずに型検査を導入できる点です。プリプロセッサはソース変換を行うため、生成後のコードは標準的なRubyであり、デバッグやプロファイリング時にも特別なランタイムを必要としません。また小規模実装に留めることで、学習コストを抑え、プロジェクトに薄く差し込める設計になっています。

一方でプリプロセッサ方式はソースと生成物の整合性管理(差分や行番号のずれ)、IDEやツールチェーンとの統合(補完やジャンプ先の追跡)、および実行時オーバーヘッドのコントロールが課題になります。literallyは軽量であるため、あえて最小限の変換とランタイム検査に絞ることでこれらの課題を緩和していると見受けられます。実務での利用を検討する場合は、生成コードの可読性、エラーメッセージの親切さ、既存テストとの相互運用性を確認することが重要です。

最後に、リポジトリの規模(コミット数やファイル数が少ない)はまだ成熟段階であることを示します。拡張性としては、より豊富な型表現のサポート、パフォーマンス最適化、IDE連携やRake / CLIによるビルドフロー統合などが今後の改善点になり得ます。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .editorconfig: file
  • .github: dir
  • .gitignore: file
  • .rubocop.yml: file
  • CODE_OF_CONDUCT.md: file

…他 8 ファイル

まとめ

小規模で試しやすいRuby向けの実行時型チェック導入ツール。実験的に導入するには良い選択。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

Literally

Literally is a tiny pre-processor for Ruby that lets you write methods with runtime type checking using Literal.

Here, a and b are typed as Numeric and the return type is Integer.

def add(a: Numeric, b: Numeric) = Integer do
  (a + b).floor
end