vLLM推理サービス性能ベンチマークツール

AI/ML

概要

llm_benchmarkは、vLLM推理エンジンに基づく大規模言語モデル(LLM)の推論性能を測定・評価するための圧測(ベンチマーク)ツールです。vLLM公式のベンチマーク機能を拡張し、モデルごとやテスト実施日時に沿った自動的な結果管理や、複数のテスト結果から特定条件を選んで集計分析を行う柔軟性を備えています。単一テストや複数テストの一括実行、結果集約といった機能を統合したスクリプトにより、推論サービスの性能評価を効率化。レイテンシ(遅延)、スループット(処理能力)、初トークン応答時間(TTFT)、トークン間遅延(ITL)など多様な指標で評価し、実運用におけるLLMの最適化に貢献します。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 7
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 7
  • コミット数: 20
  • ファイル数: 6
  • メインの言語: Python

主な特徴

  • vLLM推論エンジンをベースにした性能圧測フレームワークを提供
  • モデル名やテスト日時に基づく自動的な結果ディレクトリ管理
  • 特定のテスト結果を選択しての柔軟な集計・分析機能
  • バッチテスト、単一テスト、集計処理を統合した統一エントリースクリプトを備える

技術的なポイント

llm_benchmarkは、vLLM(vLLM-project/vllm)推論エンジンの性能検証を目的としたPython製ベンチマークツールです。vLLMは高速かつ効率的な大規模言語モデル推論を実現するエンジンであり、その性能を定量的に評価するためのフレームワークとして本ツールが開発されました。

本ツールはvLLM公式リポジトリのbenchmarksディレクトリを基に構築されており、推論処理の主要パフォーマンス指標を網羅しています。具体的には、以下の指標を測定可能です。

  • レイテンシ (Latency):APIリクエストの送信から応答完了までの時間。ユーザー体感に直結する重要指標です。
  • スループット (Throughput):単位時間あたりの処理リクエスト数やトークン生成数。システムの処理能力を示します。
  • 初トークン応答時間 (TTFT: Time To First Token):リクエスト開始から最初のトークンが生成されるまでの時間。対話システムのレスポンス速度指標に有用です。
  • トークン間遅延 (ITL: Inter-Token Latency):連続するトークン生成間の平均遅延。生成速度の均一性やスムーズさを評価。
  • 1トークン出力時間 (TPOT: Time Per Output Token):平均的な1トークン生成に要する時間。処理効率の詳細な分析に対応。

これらの指標を自動的に収集し、モデル名やテスト実施日時で階層的に管理されたディレクトリ構造へ出力します。これにより、複数のテスト結果を混在させずに整理しやすく、後続の解析作業が容易になります。

さらに、複数のテスト結果から特定の条件を指定して選択的に集計・分析できる機能も備えており、たとえば複数モデルの比較や異なるパラメータ環境での性能差異の検証が可能です。これにより、最適な推論設定の探索やモデル選択判断の支援に役立ちます。

操作面では、バッチ処理による一括テスト、単一モデルの単発テスト、そして結果の集約解析を一つのスクリプトで一元管理できる統合的なエントリーポイントが用意されています。これにより、ユーザーは複雑なコマンド操作を覚えることなく、手軽に性能評価ワークフローを回せる点も魅力です。

全体として、llm_benchmarkはvLLMベースの大規模言語モデル推論サービスの性能検証を効率化し、実用的な運用環境でのチューニングや改善に直結するデータを提供することで、AIサービスの品質向上を支援するツールといえます。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .gitignore: Git管理除外設定ファイル
  • README.md: プロジェクト概要や使用方法を記載した説明ファイル
  • docs: ドキュメント格納ディレクトリ
  • main.py: テスト実行・集計の統合エントリースクリプト
  • requirements.txt: Python依存パッケージ一覧
  • その他1ファイル(詳細不明)

まとめ

vLLM推論性能を効率的に評価可能な実用的ベンチマークツール。

リポジトリ情報: