Murayact:MicroUIとRaylibを組み合わせたReactレンダラー

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概要

Murayactは、軽量UIフレームワークMicroUIとクロスプラットフォームのグラフィックライブラリRaylibを組み合わせたReactスタイルのUIレンダラーを目指すオープンソースプロジェクトです。JavaScriptで書かれており、現状Linuxのみ対応。主にUIの高速描画とシンプルなAPI設計に重点を置き、既存のReactエコシステムとは異なる軽量なアプローチを模索しています。完成品ではなく研究目的のProof of Conceptで、GitHub上でのIssueやプルリクエストによる参加が推奨されています。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 14
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 14
  • コミット数: 9
  • ファイル数: 8
  • メインの言語: JavaScript

主な特徴

  • MicroUIの軽量さを活かしたシンプルなUI構築を実現
  • Raylibによる高速なグラフィック描画を統合
  • React風のレンダリングパターンをJavaScriptで模倣
  • Linux環境に特化したProof of Conceptとして開発中

技術的なポイント

Murayactは、MicroUIとRaylibという二つの異なる技術を橋渡しし、ReactのコンポーネントベースUIをネイティブに近い形で描画する試みとなっています。MicroUIは軽量で即時モードUI(Immediate Mode UI)を採用しており、ユーザーインターフェースを効率的に描くことが可能ですが、WebやJavaScript環境での利用は限定的です。一方RaylibはC言語ベースのクロスプラットフォームグラフィックライブラリで、簡単に2D/3D描画を行え、ゲーム開発などでも活用されています。

このMurayactでは、JavaScriptでMicroUIの思想を再現しつつ、Raylibのネイティブパフォーマンスを活かしてレンダリングを高速化。Reactのような仮想DOMを使わず、即時モードUIの特性を活かすことで、UIの状態管理や更新のオーバーヘッドを低減しています。ネイティブモジュールとしてNode.jsからRaylibを呼び出し、UIの描画処理を担う構成です。

現状はLinuxに対応しており、他のプラットフォームへの対応はユーザーからの貢献に依存しています。提供されるサンプル(例:button-counter)はnpmで依存関係を解決した後、Node.jsのスクリプトで動作確認が可能です。

設計面では、MicroUIのシンプルなAPIを踏襲しつつ、Reactの思想を取り入れたコンポーネントライクな構造を模索。これにより、JSXのような記述でUIを定義でき、かつネイティブ描画の利点を享受しようとしています。これは既存のReact NativeやElectronとは異なり、より軽量で高速なUIフレームワークの可能性を提示するものです。

ただし、READMEにもある通り現時点では実用的なライブラリというよりは概念実証(Proof of Concept)であり、APIの安定性やドキュメントは限定的です。開発者コミュニティの参加と貢献によって成長が期待される段階にあります。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .gitignore: Git管理対象外ファイルを指定
  • LICENSE: ライセンス情報
  • README.md: プロジェクト概要やセットアップ手順を記載
  • examples: サンプルプログラム群(button-counterなど)
  • package-lock.json: npm依存関係のロックファイル
  • package.json: npmパッケージ情報とスクリプト
  • packages/: 内部モジュール群、特にmurayパッケージがRaylibバインディングを含む
  • native.js: ネイティブモジュールを利用した実行エントリポイント
  • index.js: メインのJavaScriptエントリポイント

これらのファイル群は、Node.js環境での実行を前提とし、ネイティブコードとの連携部分はC/C++で実装されたRaylibの呼び出しをラップしています。

まとめ

MicroUIとRaylibを融合した実験的Reactレンダラー。

リポジトリ情報: