Murf Voice Agent Starter の紹介

AI/ML

概要

本リポジトリは「ストリーミングで低遅延の音声エージェント」をすばやく試せるスターターキットです。クライアントのマイクからの音声をブラウザでキャプチャし、AssemblyAIのリアルタイムSTT(かつターン検出)でテキスト化。得られたテキストをGoogleのGemini(genai)で応答生成し、応答テキストをMurfのリアルタイムTTSで音声に変換してクライアントへストリーミングします。バックエンドはFastAPI+WebSocketsによる双方向ストリーミングで設計され、低遅延で会話的インタラクションを実現することを目的としたサンプル構成です。外部APIキーや環境変数を設定することでローカル環境で動作を確認できます。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 15
  • フォーク数: 2
  • ウォッチャー数: 15
  • コミット数: 5
  • ファイル数: 10
  • メインの言語: Python

主な特徴

  • リアルタイムSTT(AssemblyAI)→LLM(Gemini)→リアルタイムTTS(Murf)のストリーミングパイプライン
  • FastAPI + WebSockets による双方向ストリーミング実装サンプル
  • ブラウザ側はAudio APIでマイク入力と低遅延再生を実現
  • 実運用の出発点として拡張しやすい構造(認証・スケール・カスタム処理の挿入点あり)

技術的なポイント

本プロジェクトの注目点は「ストリーミング設計」と「低遅延会話ループ」の実現にあります。具体的にはブラウザがPCM等の音声チャンクをWebSocketでサーバに送り、サーバはそれをAssemblyAIのリアルタイムSTTに渡して逐次テキスト化します。AssemblyAIのターン検出(turn detection)を活用することで「ユーザーが話し終えたタイミング」をトリガーにし、過剰な遅延や不要な切断を避けつつLLMへクエリを投げる設計になっています。LLM(Gemini)は会話文脈を踏まえた応答を生成し、そのテキストをMurfのリアルタイムTTSにストリーミングして音声データを得ます。得られた音声は再びWebSocketでクライアントに渡され、ブラウザのAudio APIで順次デコード・再生されるため、応答開始までの時間を短く保てます。

技術的な課題と対処点も重要です。WebSocketによるバイナリチャンクのやり取りは遅延やパケット順序に敏感なのでバッファ管理とバックプレッシャー制御が必須です。STTとTTS、LLMそれぞれの処理が非同期で発生するため、各処理のタイムアウトやリトライ・フェイルオーバー設計、認証トークンの更新管理が必要です。さらにセキュリティ面では音声や会話内容に機密情報が含まれる可能性があるため、通信の暗号化(TLS)、APIキーの安全な管理、サーバ側でのログ抑制・マスク処理が推奨されます。最後に、スケーリングは単一FastAPIプロセスだけでは限界があるため、ワーカー分散、キュー(例: Redis、RabbitMQ)を使った非同期処理、水平スケールを見据えた設計が現実的です。

(上記は実装方針と実運用で考慮すべき点のサマリです。リポジトリはサンプル実装としてこれらの基礎を示します。)

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .env.example: file(必要な環境変数のテンプレート、APIキーやエンドポイント設定)
  • .gitignore: file
  • .python-version: file
  • LICENSE: file
  • README.md: file(セットアップと概要)
  • app/: ディレクトリ(FastAPIのエンドポイント、WebSocketハンドラ等)※存在する場合
  • client/: ディレクトリ(ブラウザ側のサンプルHTML/JS、Audio API利用コード)※存在する場合
  • requirements.txt / pyproject.toml: 依存関係(FastAPI、websockets、httpxなどを想定)
  • scripts/ または utils/: 補助的なユーティリティ(ストリーミング用ヘルパー等) …他 5 ファイル

使い始めの流れ(一般的な手順):

  1. .env.example をコピーして .env を作成し、Murf、AssemblyAI、Google Cloud(genai)のAPIキーを設定する。
  2. Python環境を作成して依存関係をインストールする(requirements.txt / pyproject.toml)。
  3. FastAPI サーバを起動し、ブラウザクライアントを開いてマイクアクセスを許可する。
  4. クライアントからの音声チャンクがサーバ経由でSTT→LLM→TTSのパイプラインを通り、音声応答が返ってくることを確認する。

実運用に向けた拡張例:

  • VAD(Voice Activity Detection)やウェイクワードを導入して不要なトリガーを減らす
  • WebRTCによるメディアチャネルを検討してより堅牢な音声ストリーミングを実現
  • キャッシュや短期履歴ストアで同じ質問の再処理を削減
  • ミドルレイヤーでのコンテキスト管理(会話履歴の短期・長期保存)

まとめ

低遅延ストリーミング音声エージェント構築の出発点として有用なスターターキット。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

Murf Voice Agent Starter

Build a streaming, low‑latency voice agent powered by:

  • Murf – real‑time streaming text‑to‑speech (TTS)
  • AssemblyAI – real‑time speech‑to‑text (STT) with turn detection
  • Gemini (Google genai) – LLM for generating responses
  • FastAPI + WebSockets – backend and bi‑directional streaming
  • Browser Audio APIs – microphone capture and seamless playback

This repo is a starter project for developers who want to build conversational voice agent…