OpenWit:分散型オブザーバビリティ・プラットフォーム
概要
OpenWitは、高性能で分散可能なオブザーバビリティ基盤を目指すプロジェクトです。トレース、ログ、メトリクスといったテレメトリデータを大規模に取り込み、効率よく格納・検索するために設計されています。コアはRustで実装され、列指向のデータ処理ライブラリであるApache Arrowと、列指向ファイルフォーマットのParquetを活用することで、データの圧縮・I/O効率・クエリ性能を高めています。アーキテクチャはバッチベースのパイプラインを採用し、パイプラインの管理や監視のためにPostgreSQLをメタデータ用のトラッキング層として利用する点が特徴です。
リポジトリの統計情報
- スター数: 16
- フォーク数: 2
- ウォッチャー数: 16
- コミット数: 2
- ファイル数: 8
- メインの言語: Rust
主な特徴
- バッチベースの分散パイプライン設計により高スループットと効率的なバッチ処理を実現
- Apache Arrow + Parquetにより列指向の高速処理と効率的な永続化を実現
- PostgreSQLを用いたパイプライン追跡・メタデータ管理で運用性と可観測性を確保
- Rustで実装され、安全性と実行時性能の両立を狙う
技術的なポイント
OpenWitは「バッチベース」でデータを扱う点が最大の技術的特徴です。多くのオブザーバビリティ基盤がストリーム処理に偏る中、OpenWitはデータをまとまったバッチとして処理・格納することで、I/O効率、圧縮率、列指向処理の恩恵を享受します。Apache Arrowはメモリ内の列指向フォーマットとして、ベクトル化された演算やゼロコピーを可能にし、Parquetはディスク上での列指向永続化と高圧縮を提供します。これにより、クエリ時の読み出しデータ量を削減し、大規模データセットでも低コストでの集約やフィルタが期待できます。
また、PostgreSQLをパイプラインのトラッキング用に採用している点は運用面で利点があります。各バッチの状態管理、ジョブの進捗、メタデータ(スキーマ、パーティション情報、保持ポリシーなど)を関係データベースで管理することで、障害時の復旧や監査、運用ダッシュボードの実装が容易になります。Rustの採用は高性能ネットワーク処理や並列処理、メモリ安全性を両立させるためであり、低レイテンシなデータ取込みとバッチ作成を可能にします。
設計上はトレース・ログ・メトリクスを単一の基盤で扱うことを念頭に置いているため、共通のストレージフォーマットや検索基盤、クエリパイプラインの統一が想定されます。分散モードとローカルモードなど複数のデプロイモードをサポートすることで、クラウド環境からオンプレミスまで柔軟に適応できる点も魅力です。なお、バッチベースはストリーミングに比べてリアルタイム性で劣る場面があるため、リアルタイムアラートや即時性を求めるユースケースでは設計上のトレードオフを検討する必要があります。運用上はストレージライフサイクル管理、Parquetファイルのマージ/パーティショニング戦略、PostgreSQLのメタデータスキーマ設計、そしてバックアップ/リカバリの整備が重要になります。
プロジェクトの構成
主要なファイルとディレクトリ:
- .cargo: dir
- .gitignore: file
- Cargo.toml: file
- Dockerfile: file
- README.md: file
その他ファイル:
- src/: Rustソース(想定)
- scripts/ または infra/(デプロイ用スクリプトの可能性)
- LICENSE(ライセンス情報)
…他 3 ファイル
(注)リポジトリは現時点でファイル数・コミット数が少なく、まだ初期開発段階のためソースの詳細な構造は今後拡張される見込みです。
まとめ
バッチ志向とArrow/Parquetを組み合わせた効率重視のオブザーバビリティ基盤。成長が期待される初期プロジェクト。
リポジトリ情報:
- 名前: openwit
- 説明: Open-source observability database for Metrics, Logs and Traces. Alternative of Elastic Search, Loki, Tempo and Datadog.
- スター数: 16
- 言語: Rust
- URL: https://github.com/openwit-oss/openwit
- オーナー: openwit-oss
- アバター: https://avatars.githubusercontent.com/u/204781292?v=4
READMEの抜粋:
OpenWit - Distributed Observability Platform
OpenWit is a high-performance, distributed observability platform designed to ingest, store, and query telemetry data (traces, logs, metrics) at scale. Built in Rust with Apache Arrow and Parquet, it uses a batch-based architecture with PostgreSQL for complete pipeline tracking and observability.
Architecture Overview
OpenWit supports two deployment modes:
Distributed Mode (Batch-Based Pipeline)
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