Quantum4J: Java向けモダン量子コンピューティングSDK

Library

概要

Quantum4Jは、JVMネイティブで動作する純粋なJava実装の量子コンピューティングSDKです。設計思想はQiskitに近く、回路(Circuit)や量子レジスタ、標準的な量子ゲートを用いたプログラミングが可能。高速な状態ベクトルシミュレータを備え、作成した回路をOpenQASM形式でエクスポートできます。Apache-2.0ライセンスで、Java 17以上を対象にMavenプロジェクトとして構成されており、JVMアプリケーションに自然に組み込める点が特徴です。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 3
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 3
  • コミット数: 10
  • ファイル数: 9
  • メインの言語: Java

主な特徴

  • 純粋なJava 実装(JVMネイティブ)、Java 17以上をサポート
  • Qiskit風の直感的なAPIで回路設計が可能
  • 高速な状態ベクトルシミュレータを内蔵
  • 回路をOpenQASMへエクスポートする機能、標準ゲートの実装

技術的なポイント

Quantum4Jの核は「使いやすさ」と「JVM統合」に重点を置いた設計です。APIはQiskitに影響を受けており、量子レジスタ・クラシカルレジスタ・回路オブジェクトを組み合わせてプログラムを書けるため、量子アルゴリズムのプロトタイピングが直感的に行えます。シミュレータは状態ベクトル(state-vector)方式を採用しており、2^nサイズの複素ベクトルで量子状態を表現するため、中規模(数十キュービット未満を想定)の回路の解析に適しています。状態更新はゲート行列の作用を通じて行われ、単一・多体ゲートの適用、測定処理、状態重ね合わせの管理が実装されています。

性能面では、純Java実装ながらJIT最適化や配列操作の効率化を活用でき、JVM上での他ライブラリ連携(数値計算ライブラリ、並列処理、可視化ツールなど)が容易です。一方で、分散シミュレーションや大量キュービットの扱い(メモリ爆発)は本プロジェクトの範疇外であり、将来的な拡張やネイティブライブラリ連携(JNI経由の高速化)で対応することが考えられます。

また、OpenQASMエクスポート機能により、他の量子ツールチェーンと相互運用できる点は実用性の高い設計です。ライブラリはApache-2.0で配布されており、商用・研究用途で利用しやすく、Mavenプロジェクト構成によりCI(GitHub Actions)や依存管理が整備されています。現状は開発初期で機能は限定的だが、拡張性を考慮したモジュール設計とテストの土台が用意されています。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .github: dir
  • .gitignore: file
  • CHANGELOG.md: file
  • LICENSE: file
  • NOTICE: file

その他の重要ファイル(例):

  • README.md: プロジェクト概要と基本的な使い方
  • pom.xml: Mavenビルド定義(Java 17をターゲット)
  • src/: Javaソースコード(回路、ゲート、シミュレータ等)
  • .github/workflows/maven.yml: CI(ビルド・テスト)ワークフロー

…他 4 ファイル

まとめ

JVM環境で使える軽量で拡張しやすいJava製量子SDK。将来性はあるが機能拡張が必要。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

Quantum4J: A Modern Java Quantum Computing SDK

Lightweight • Extensible • Qiskit-Inspired • JVM-Native

Build License Java Stars