Harmonic ROUND(ハーモニック・ラウンド)

AI/ML

概要

Harmonic ROUND(Riemannian Optimized Unified Neural Dynamo)は、位相を内部状態として持つ新しい再帰ユニット「U-Neuron」を提案するリポジトリです。U-Neuronは学習された多様体上に状態を埋め込み、読み出し時にハーモニックロッキングポテンシャル(フーリエ風の安定井戸スペクトル)を用いて位相を離散化・安定化します。これにより時間的・周期的データやモード分離が必要なタスクでの表現が向上し、リーマン幾何に基づく最適化手法を組み合わせることで学習の安定性と解釈性を高めることを目指します。本リポジトリは参照実装(dynamo)、ハーモニックポテンシャル実装、基本的な使用例を含みます。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 5
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 5
  • コミット数: 4
  • ファイル数: 20
  • メインの言語: Python

主な特徴

  • 位相(phase)を内部状態として取り扱う再帰ユニット(U-Neuron)の参照実装
  • 読み出し時に位相を量子化するハーモニック(フーリエ風)ロッキングポテンシャルを採用
  • リーマン多様体上での最適化や幾何学的制約を意識した設計
  • ニューロシンボリックな性質を持ち、離散的表現と連続的ダイナミクスを融合

技術的なポイント

Harmonic ROUNDの中心的アイディアは「内部状態を位相としてモデル化する」ことにある。多くのRNNやGRU、LSTMが内部状態をベクトル空間の点として扱うのに対し、本モデルは状態を角度や位相として扱い、位相空間上の遷移を学習することで周期性やモード分離を自然に表現できる。さらに読み出し時にハーモニックロッキングポテンシャルを適用することで、位相を特定の安定点(井戸)へと吸引し、フーリエ成分に相当する複数の安定モードを持つ離散化された出力を生成する。これは量子化や記号的なカテゴリ化に似た役割を果たし、長期依存やモード間の明確な切り替えをサポートする。

技術的には以下が注目点:

  • リーマン多様体上の表現:内部状態はユークリッド空間ではなく学習可能な多様体に埋め込まれ、距離や勾配の計算にリーマン計量を組み込むことで、伝搬や最適化の幾何学的整合性を取る。
  • ハーモニックポテンシャル:フーリエ級数的な安定井戸を持つポテンシャル関数を用い、読み出し時に位相を井戸へロックする(ハーモonic locking)。これにより離散的かつ周期的な安定解が得られる。
  • ニューロシンボリック融合:連続的な微分可能な動力学(dynamo)と、読み出しでの離散化(シンボリックなカテゴリ化)を組み合わせる。これにより例えばシンボル列生成や状態遷移の明確化が期待される。
  • 実装面:Pythonでの参照実装が含まれ、モジュール化されたROUND.pyにコアロジックが実装されている。リーマン最適化やポテンシャル関数は実験的に調整可能なハイパーパラメータを持つ。

応用としては周期信号のモード分離、記憶保持と量子化が重要なシーケンス学習、制御系の安定化、あるいは記号的出力が必要な生成モデルでの利用が想定できる。研究プロトタイプとして設計されており、学習安定性の評価や多様体設計の検討が今後の課題となる。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .gitignore: file
  • CITATION.cff: file(研究引用用メタデータ)
  • LICENSE: file(ライセンス情報)
  • README.md: file(プロジェクト概要、インストール、使用例)
  • ROUND.py: file(U-Neuron / Dynamo の主要実装)
  • requirements.txt(依存パッケージ、実験再現用)
  • tests/(基本的なユニットテストや簡易実験スクリプト)
  • examples/(簡単な使用例やデモスクリプト)
  • utils.py(補助的な数値関数や幾何ツール)
  • experiments/(実験設定やログ出力のテンプレート) …他 15 ファイル

ROUND.pyの中核は以下の要素で構成される(ファイル内にコメントで説明あり):

  • 位相状態表現とその更新則:位相の遷移を記述する微分方程式や差分方程式。
  • ハーモニックポテンシャル関数:複数の周波数成分を組み合わせた安定井戸ポテンシャル。
  • 読み出し(readout)モジュール:ポテンシャルによる位相の量子化と出力生成。
  • 学習ルーチン:損失関数、最適化器、必要に応じたリーマン計量の利用。

ドキュメントは最小限だが、READMEとコード内コメントで理論背景と使い方のヒントが提供されている。研究用途での拡張・再現を念頭に置いた実装になっているため、実験ハイパーパラメータの調整や多様体設計の変更が容易にできる構造だ。

まとめ

位相ベースの再帰ユニットとハーモニック量子化を組み合わせた研究向け参照実装。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

Harmonic ROUND (Riemannian Optimized Unified Neural Dynamo)

UIT U-Neuron — Phase 3: The Harmonic Generalist (Dec 13, 2025)

Harmonic ROUND is a phasic, neuro-symbolic recurrent unit (“U-Neuron”) that treats internal state as phase on a learned manifold, then quantizes that phase at readout using a harmonic locking potential (a Fourier-style spectrum of stability wells).

This repository contains:

  • a reference implementation of the ROUND neuron (the “dynamo”),
  • a harmonic …