scepreq:AD CSとIntune向けSCEPリクエストツール
概要
scepreqは、MicrosoftのAD CS(Active Directory Certificate Services)におけるNDES(Network Device Enrollment Service)サーバーと通信し、SCEP(Simple Certificate Enrollment Protocol)を用いて証明書を取得するためのオープンソースツールです。Python3.7以上で動作し、pip経由で容易にインストールできます。主な用途はAD CSの攻撃面を拡張するセキュリティ検証や、Microsoft Intuneと連携した証明書発行の自動化です。SCEPプロトコルの特徴を活かし、証明書の申請・取得処理をプログラム的に実行できるため、運用効率化やセキュリティ評価に役立ちます。
リポジトリの統計情報
- スター数: 10
- フォーク数: 1
- ウォッチャー数: 10
- コミット数: 5
- ファイル数: 5
- メインの言語: Python
主な特徴
- AD CSのNDESサーバーとSCEPプロトコルで通信し証明書をリクエスト可能
- Microsoft Intuneとの統合を視野に入れた設計
- Python製でpipから簡単にインストールできる軽量なツール
- セキュリティ検証や攻撃面解析に活用できるユースケースを想定
技術的なポイント
scepreqは、SCEPプロトコルを介してAD CSのNDESサーバーへ証明書要求を送信し、証明書を取得する機能を持ちます。SCEPはネットワーク機器やモバイルデバイスが証明書を自動取得するために設計されたプロトコルで、HTTPベースでPKIと連携する点が特徴です。scepreqはこのSCEPの仕様に準拠しつつ、特にMicrosoft環境におけるAD CSとNDESの構成に対応しています。
Pythonで実装されているため、依存関係が少なく、pip経由で容易に導入できる点が特徴です。ツールは証明書署名要求(CSR)の生成から、NDESサーバーへの送信、レスポンスの検証、証明書の取得および保存までの一連の処理を自動化します。これにより、手動の証明書申請作業を効率化し、検証環境や運用環境での信頼性の高い証明書管理が可能となります。
さらに、ツールの作成者はIntuneとAD CSの統合シナリオに注目しており、Intune管理下のデバイスに証明書を配布するための攻撃面拡大や検証にも利用可能である点を示しています。これにより、企業ネットワークにおける証明書ベースの認証や暗号通信の強化を現実的に支援します。
実装面では、SCEPの各種メッセージ(PKIMessageやPKIEnvelopeなど)を取り扱い、AD CS特有のレスポンスフォーマットやエラー処理にも対応。Pythonの標準ライブラリに加えて暗号処理ライブラリを用い、証明書の署名および検証処理を正確に行います。コミット数は少なくシンプルながら、用途に特化した堅牢な設計がなされています。
NDESサーバーとの通信はHTTP(S)を通じて行われ、ネットワーク障害や認証エラーに対しても一定の例外処理が実装されています。これにより実務でも安定した動作が期待でき、スクリプトやCI/CDパイプラインでの利用も想定されています。
プロジェクトの構成
主要なファイルとディレクトリ:
- .gitignore: Gitの管理対象外ファイル指定
- LICENSE: MITライセンス表記
- README.md: プロジェクト概要と使用方法の説明
- pyproject.toml: Pythonパッケージのビルド設定
- scepreq: メインのPythonモジュールが格納されたディレクトリ
まとめ
AD CS環境の証明書発行をSCEP経由で自動化できる実用的なPythonツール。
リポジトリ情報:
- 名前: scepreq
- 説明: SCEP request tool for AD CS and Intune
- スター数: 10
- 言語: Python
- URL: https://github.com/dirkjanm/scepreq
- オーナー: dirkjanm
- アバター: https://avatars.githubusercontent.com/u/1773762?v=4