shadow-rs — Rust製 Windowsカーネルルートキット(解析向け紹介)

Security

概要

shadow-rsは、Windowsカーネル空間で動作するルートキットをRust言語で実装したリポジトリです。カーネルドライバやメモリ操作、APIフック、プロセス/ファイル隠蔽といった典型的なルートキット機能の実装例を含み、セキュリティ研究者や対策開発者が攻撃技術を理解・解析するための教材的リソースです。本プロジェクトは攻撃コードそのものを提供するため、実行や展開は法令・倫理に注意し、隔離された研究環境での解析に限定して扱うことが強く推奨されます。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 64
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 64
  • コミット数: 30
  • ファイル数: 15
  • メインの言語: Rust

主な特徴

  • Rustで書かれたWindowsカーネルドライバの実装例
  • カーネルレベルでの隠蔽・フック技術のサンプル
  • セキュリティ研究や検出手法検証向けの教材的リソース
  • ビルド/テスト用の設定ファイルとプロジェクト構成を含む

技術的なポイント

shadow-rsが技術的に興味深いのは、従来C/C++で行われてきたカーネルモード開発をRustで試みている点です。Rustの所有権や型システムはユーザ空間の安全性向上で評価されていますが、カーネルドライバ開発にそのまま適用するには制約があり、unsafeコードや外部バインディングの扱いが必須になります。本リポジトリでは、カーネルAPIとのインターフェースやメモリ操作、割り込みやIRP処理の部分でどのようにRustの機能を併用しているかが注目点です。

実装上の課題としては、カーネル空間での同期・メモリ管理・例外処理、そして環境依存のAPI呼び出しが挙げられます。Rustの抽象化をどこまで使い、どこで低レベルなunsafeを容認するかの設計判断がコードベースに反映されます。また、ルートキット特有の技術(例:プロセス一覧やファイルシステムの隠蔽、ネットワークトラフィックの操作、システムコールや関数テーブルのフック)は、検出回避の観点から振る舞いを研究する価値があります。 defensive側では、こうした振る舞いを検出するためのインテグリティチェック、カーネルオブジェクト監視、メモリスキャンや異常なフック検出技術の検討材料となります。

重要な点として、本リポジトリは教育・研究目的の解析を想定したものであり、実際の環境での実行や配布は重大な法的リスクを伴います。リポジトリを用いる場合は、隔離された検証環境(オフラインの仮想マシンやサンドボックス)、倫理的承認、法令順守を遵守してください。セキュリティコミュニティでは、攻撃技術の公開を通じて守備側の検知能力を高める意義が認められる一方で、明確な悪用防止のガイドラインと注意喚起が必要です。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .gitattributes: file
  • .gitignore: file
  • .vscode: dir
  • Cargo.toml: file
  • Justfile: file

…他 10 ファイル

ソースはRustのCargoプロジェクト構造に沿っており、ビルド設定(Cargo.toml)とエディタ設定(.vscode)を含みます。Justfileはビルドやテストを簡略化するタスクランナーとして用意されている点が特徴です。

まとめ

学術的・防御的な解析教材として有用だが、実運用での利用は厳重に禁止されるべきプロジェクト。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

shadow-rs 🦀

Rust Platform Forks [![Stars](https://img.shields.io/github/st