Sticky Ports:Ubuntuサービスを模倣するLayer 4ハニーポット

Security

概要

Sticky Portsは、Ubuntuで広く利用されているネットワークサービス群を模倣するLayer 4ハニーポットフレームワークです。Pythonで実装されており、RedisやSMTP、FTP、MySQL、VNC、RDPなど複数のプロトコルをエミュレートします。攻撃者がこれらのサービスに接続した際の通信内容や振る舞いを詳細にログとして記録し、SQLiteデータベースに保存。これにより、攻撃手法の解析や脅威インテリジェンスの収集に役立つツールとして機能します。軽量で導入が容易なため、セキュリティ研究や運用環境での検知強化に最適です。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 2
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 2
  • コミット数: 11
  • ファイル数: 5
  • メインの言語: Python

主な特徴

  • 複数の代表的なUbuntuサービス(Redis、SMTP、Memcached、FTP、Telnet、MySQL、VNC、RDP)をLayer 4でエミュレート
  • すべての通信をログに記録し、SQLiteデータベースに保存可能
  • MITライセンスのオープンソースで、カスタマイズや拡張が容易
  • 軽量設計で導入と運用が簡単

技術的なポイント

Sticky Portsは、ネットワークのLayer 4(トランスポート層)に着目したハニーポットであり、TCP/IPレベルでの通信を模倣する設計が特徴です。Pythonで書かれているため、クロスプラットフォーム対応やメンテナンス性に優れています。特に、攻撃者が狙うUbuntu上の代表的なサービスを選定し、これらのプロトコルの基本的な応答や挙動を再現。例えばRedisのコマンド応答やSMTPのメール送信や応答のやり取り、FTPのコマンド処理といった通信フローを模倣し、接続者に本物のサービスが存在するかのような錯覚を与えます。

ログ機能はSQLiteへのローカル保存を標準で備え、攻撃者のIPアドレスや接続時刻、送受信したデータ内容を詳細に記録します。これにより、後から攻撃パターンの分析やインシデント対応に役立てることが可能です。また、ログデータを活用することで、未知の攻撃手法やマルウェアの振る舞い検知にも応用できます。

設計面では、単一のフレームワーク内で複数サービスを同時に稼働させられるオールインワン構成を実現し、運用の簡便化を図っています。これにより、セキュリティ担当者は複数のハニーポットを個別に用意・管理する必要がなくなり、効率的な監視環境を構築可能です。さらに、MITライセンスのオープンソースとして公開されているため、自社のニーズに合わせてサービスの追加や応答パターンのカスタマイズが行いやすい点も魅力です。

総じてSticky Portsは、軽量かつ多機能でありながら、初心者にも扱いやすい設計がなされているため、ハニーポット導入のハードルを下げるとともに、実用的なデータ収集基盤を提供するプロジェクトといえます。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .gitignore: Git管理対象外のファイル指定
  • LICENSE: MITライセンス文書
  • README.md: プロジェクト概要や利用方法の説明
  • images: プロジェクト関連の画像ファイルを格納
  • src: ソースコード群。サービス毎のエミュレータや共通モジュールを含む

まとめ

多様なUbuntuサービスを模倣し攻撃解析に活用できる軽量ハニーポット。

リポジトリ情報: