TypeScript型パーサー「tsints」の紹介

Library

概要

「tsints」は、TypeScriptの型定義文字列をTypeScriptの型システムだけでパースし、抽象構文木(AST)を生成するライブラリです。通常、型解析はJavaScriptなどの実行時コードで行いますが、本プロジェクトはその全てを型レベルで実現。JavaScriptコードが一切含まれていないのが最大の特徴です。これにより、型安全性を高めつつ、型の解析や検証を高速かつ柔軟に行うことが可能となっています。TypeScript7の型システムの高速化を活かし、型レベルでの複雑なロジック処理の可能性を示しています。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 3
  • フォーク数: 1
  • ウォッチャー数: 3
  • コミット数: 5
  • ファイル数: 12
  • メインの言語: TypeScript

主な特徴

  • TypeScriptの型システムのみで型定義文字列をパースし、ASTを生成
  • JavaScriptの実行コードを一切含まない「型レベルのみ」の実装
  • Babelのパーサー風AST形式を採用し、馴染みやすい構造を提供
  • TypeScript7の型システム高速化に対応し、大規模な型解析も可能

技術的なポイント

「tsints」はTypeScriptの型システムの限界に挑戦する非常にユニークなプロジェクトです。通常、型定義のパースはJavaScriptの実行コードで行い、その結果を型に反映させますが、本ライブラリは型の文字列を純粋に型の条件分岐やマッピング、再帰型のみで解析し、ASTを生成しています。このアプローチは型レベルプログラミングの極致であり、TypeScript7で導入された型システムの高速化を背景に実用化の目処が立っています。

具体的には、型レベルの文字列操作や分割、条件分岐を駆使して文字列をトークン化し、再帰的に解析木を組み立てます。型の再帰深度制限や計算量の問題がネックとなりやすいですが、型システムの最適化により高速かつ安定した動作を実現。ASTはBabelパーサーに似た形式を採用しており、既存のツールや知識と親和性が高い設計です。

また、JavaScriptコードが一切無い点も注目に値します。型情報の抽出や検証を実行時コードに依存せずに完結できるため、型安全性が格段に向上。静的解析や型駆動のメタプログラミングに新たな可能性を提示しています。READMEにはユーモアを交えたコメントもあり、開発者の型システムに対する熱意と挑戦心が伝わってきます。

このような型レベルパーサーは、型安全なコード生成や型駆動テスト、複雑な型変換ルールの実装に応用可能であり、TypeScriptの型表現力を最大限に活用するための先進的な試みと言えます。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • .gitignore: 不要ファイルの管理設定
  • .prettierignore: フォーマット除外設定
  • .vscode: VSCode用設定ディレクトリ
  • README.md: プロジェクト説明
  • common: 共通型やユーティリティ
  • parser: パースロジックの実装
  • index.ts: エントリーポイントとなる型定義
  • tsconfig.json: TypeScriptコンパイラ設定
  • package.json: パッケージメタ情報
  • LICENSE: ライセンス情報
  • tsints.test.ts: テストコード

まとめ

TypeScript型システムによる型パーサーの革新的な実装例。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

tsints

a parser for typescript types, written in typescript types (no js here!)

testimonials

please no please I beg you — @jakebailey.dev

EM WHAT THE FUCK

ur deranged

hell yeah

i cant wait to do ludicrous shit with ts7 speeds

why are you like this

usage

code like this

import type { Parse } from "./parser/index.ts";
type _ = Parse<"{some:[ts, 'type']}">;

evaluates to a @babel/parser-style AST…