Ultima_CRAM_Stat_C — CRAM品質サマリ生成ツール

Tool

概要

Ultima_CRAM_Stat_Cは、CRAMファイルを素早くスキャンして「使えるかどうか」を把握するための最小限のQC(品質管理)サマリを生成するコマンドラインCユーティリティです。htslibを利用してCRAMを逐次読み取り、ファイル単位またはディレクトリ単位で対象を検出・処理します。出力はパイプラインや自動化ワークフローに組み込みやすい簡潔な形式を想定しており、実行速度・軽量性を優先した設計です。参照配列の指定やhtslibの設定に依存する点に注意しつつ、ポストランのスモークテストや大規模処理前後のサニティチェックに適しています。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 1
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 1
  • コミット数: 2
  • ファイル数: 2
  • メインの言語: C

主な特徴

  • 単一のCRAMファイル、CRAMが格納されたディレクトリ、またはファイル名プレフィックスを受け付ける
  • *.cram を自動探索してマッチするファイルを処理(バッチ処理に対応)
  • htslibを利用した軽量な実装で高速に走査し、コンパクトな品質スナップショットを出力
  • パイプラインのスモークテストやランごとの簡易QCに適した設計

技術的なポイント

本プロジェクトはC言語で実装されており、CRAM読み取りのためにhtslibを利用することで高性能なバイオインフォマティクス向けI/Oを活用しています。設計方針は「単一パスで必要最小限の統計を集める」ことにあり、各レコードを逐次処理してメモリ使用を抑えつつ合計数、マッピング率、基本品質スコアの分布などの要点を集約する想定です(READMEにある「基本的なシーケンス品質指標」を出力する機能に基づく)。ファイル検出はディレクトリ走査やプレフィックスマッチで複数ファイルを自動的に収集するため、大量のCRAMを含むバッチ処理に向きます。

実装上の注意点として、CRAMは参照配列を必要とするケースがあるため、htslib側で参照ファイルや環境設定を正しく与える必要があります。コンパイルやリンクはpkg-configでhtslibのフラグを取得する方法が推奨され、例: gcc $(pkg-config —cflags htslib) -o SQS_CRAM_MULTI_C SQS_CRAM_MULTI_C.c $(pkg-config —libs htslib) のようにビルドします。入出力は標準出力/標準エラーを利用したパイプライン連携を想定しており、JSONやTSVなどの整形出力を追加すれば監視ツールやCIへの組み込みが容易になります。

性能面では、Cとhtslibの組合せによりI/Oとデコードのオーバーヘッドを低く抑えられますが、並列処理や高並列I/Oは現状の設計次第です。今後の拡張案としては、マルチスレッドによる複数ファイル同時処理、詳細な品質指標(ヌクレオチドレベルのエラー率、GC偏差、挿入長分布など)の追加、出力フォーマットの選択肢(CSV/JSON)や圧縮出力のサポートが考えられます。ツール自体はパイプラインの「ファーストラインQC」として位置づけられており、詳細解析は専用のQCツール(FastQCやMultiQC、samtools stats等)に委ねる使い分けが適切です。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • README.md: file
  • SQS_CRAM_MULTI_C.c: file

まとめ

軽量で実行が速く、ラン後やバッチ前後の簡易QCに便利なC製ユーティリティです。

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