Vault Standard(Opencurve ERC-4626 実装)

Library

概要

Opencurve の Vault Standard リポジトリは、ERC-4626(イールドを生む Vault の標準化仕様)に基づくボールト実装のデモ・プロトタイプです。リポジトリは「ステーブルコイン・イールド・ボールト(Stablecoin Yield Vault)」という簡素なユースケースを採り、DAI を資産として受け入れ、Compound へ預けることで利回りを生成する単純な戦略を組み合わせた最小限の設計を示します。目的は、標準インターフェイスによる入出金・会計ロジック、ストラテジーの分離によるモジュール性、Hardhat を使ったローカル開発やテストの流れを分かりやすく示すことです。学習用・設計例として利用可能で、実運用にあたっては追加の監査やセキュリティ強化が必要です。

GitHub

リポジトリの統計情報

  • スター数: 2
  • フォーク数: 0
  • ウォッチャー数: 2
  • コミット数: 2
  • ファイル数: 11
  • メインの言語: Solidity

主な特徴

  • ERC-4626 準拠の Vault インターフェイスを採用し、標準的な入出金/会計メソッドを提供。
  • ストラテジーを分離したモジュール設計で、Vault 本体と運用ロジックが疎結合。
  • シンプルな実装(DAI → Compound)を例示しており、学習および拡張が容易。
  • Hardhat を用いた開発構成でテストやデプロイの雛形を提供。

技術的なポイント

このリポジトリの中心は ERC-4626 が定義する「資産(assets)とシェア(shares)」の換算と入出金フローです。ERC-4626 によって標準化された convertToShares/convertToAssets、deposit/mint/withdraw/redeem といった API を通じて、ユーザー資産のトラッキングが統一されます。Vault は実際のイールド生成ロジックを外部のストラテジーに委任することで、Vault コントラクト自体を比較的単純に保ちつつ、戦略の差し替えや安全な実装を容易にします。DAI→Compound の例では、Compound の cToken を利用した預け入れ・利回り回収が示され、リクイディティ管理・利回り計算の基本パターンが学べます。開発環境は TypeScript ベースの Hardhat 構成で、コントラクトのビルド・テスト・デプロイに必要な設定が揃っています。セキュリティ面では、ERC-4626 の会計整合性、リベンツランシー対策、適切なアクセス管理(管理者ロール/ガバナンス)といったポイントが重要であり、プロダクション用途ではさらに監査・テストカバレッジ・エッジケースの検討が必要です。

プロジェクトの構成

主要なファイルとディレクトリ:

  • LICENSE: file — ライセンス情報
  • README.md: file — リポジトリの説明と使用方法
  • contracts: dir — Solidity コントラクト群(Vault、Strategy など)
    • Vault 実装(ERC-4626 準拠)のソースがここにある想定
    • Strategy のインターフェイスと簡易実装(DAI→Compound)
  • hardhat.config.ts: file — Hardhat の設定(コンパイラ、ネットワーク、プラグイン)
  • package-lock.json: file — 依存ツリーのロックファイル
  • package.json(含まれる想定) — スクリプトや依存関係
  • tsconfig.json(含まれる想定) — TypeScript 設定
  • test(含まれる想定) — Hardhat テスト群(ユニットテスト)
  • scripts(含まれる想定) — デプロイやユーティリティスクリプト

…他 6 ファイル

この構成は、Solidity のコントラクト実装と TypeScript/Hardhat による周辺環境を一緒に管理する典型的なモノレポ形式です。contracts ディレクトリに実装本体、設定ファイルでローカル開発や E2E 検証が可能となります。

まとめ

ERC-4626 を実践的に学べるシンプルなプロトタイプで、モジュール化された Vault/Strategy 設計の導入例として有用です(実運用前に追加検証必須)。

リポジトリ情報:

READMEの抜粋:

Opencurve Capital – Vault Architecture (ERC-4626 Standard)

This repository contains a demonstration of the Opencurve Capital vault architecture, designed around the ERC-4626 standard for yield-bearing vaults. It illustrates how Opencurve products are built — using composable, secure, and modular smart contract infrastructure.

This repo includes a minimal working prototype of a Stablecoin Yield Vault using a simplified strategy (DAI → Compound), …